わし鼻修正術|手術の詳細
わし鼻形成術は、別名ハンプ削りとも言います。
鼻筋の中央が前へと突き出ている段鼻を切除し、横から見た鼻のラインを滑らかに整える手術です。
鼻の穴の内側を切開し、そこから鼻筋の骨と軟骨の出っ張った部分を切りとって形を整えます。
突起部分が大きい場合は、ハンプを削ったことで、鼻筋が太く扁平になってしまうことがあるので、鼻筋を細く整える鼻骨骨切り幅寄せ術を併用します。
出っ張った骨や軟骨を削る代わりに、突出している部分の上や下へヒアルロン酸を注入、あるいはプロテーゼを挿入することによって、わし鼻を目立たなくさせることも可能です。
■ わし鼻修正術の流れ
■ 切開方法
【麻酔方法】
全身麻酔
わし鼻修正術|ダウンタイム・術後経過
【ダウンタイム】
個人差があります。
■ 腫れ
約2 週間で目立つ腫れは落ち着いてきます。
内出血や感染症が起こった場合は、腫れが長引くこともあります。
■ 内出血
細かい血管が傷つくと、皮膚の下で出血し、鼻周辺が紫色や緑色になりますが、1~3 週間で消失します。また、下まぶたに起きた内出血が吸収された後に、血液の色素が残り、茶色っぽくみえることがありますが、半年~1 年位で自然に分解されます。
■ ドレーン(管)
出血が皮下に溜まるのを防ぐ為に、1~3 日間鼻内に留置することがあります。
抜く際に鼻の粘膜から出血することがあります。
■ ギプス
約1 週間
■ 抜 糸
2週間目(鼻の中)
■ メイク
ギプス除去後から可能です。
■ 完 成
約3~6 ヶ月間
■ 通 院
1 日目~3日目・1 週目・2週目
【治療後の経過】
1、むくみ
ギプス除去後は一時的にむくみが生じます。
2、傷
3~6 ヶ月は鼻の中の傷が硬くなりますが、徐々に硬さは改善されます。
わし鼻修正術|手術後に起こりうるトラブル・対応
【喫煙について】
喫煙は血液の循環を悪くする為、傷の治りが悪くなります。細菌がついて感染を引き起こす原因にもなります。
術前2 週間前~術後最低1 ヶ月は禁煙をお願い致します。
手術後4 ヶ月は腫れや炎症が残っているため、傷が酷く残りやすく、また癒着が強く変形が起きやすいため、原則として再手術には適さない時期です。腫れや炎症が治まる4 ヶ月以降に判断し、調整を行わせていただくことをご了承下さい。
わし鼻修正術|トラブル一覧
A) 感 染(化膿する)
B) 血が溜まる
C) 傷口が開く
D) 鼻が低く感じる
I) 鼻筋が細くなりすぎたと感じる
J) ハンプがまだ残っている
K) ハンプを削った部分が凹凸になる
L) 中縫いの糸が出てくる
A) 感 染(化膿(かのう)する)
A-1トラブルの内容
術後治療部位に「熱感」「赤みが出る」「強い痛み」「強い腫れ」等といった状態が長引く場合は、感染が疑われます。
A-2 対応
感染が起きた場合は、内服薬服用や抗生剤を投与します。また、感染がひどいケースでは、鼻の中を切開して膿を出す必要があります。
B) 血が溜(た)まる
B-1トラブルの内容
皮膚の中で出血が起こると、傷の中に血が溜まってしまい、腫れ上がります。
B-2 対応
皮膚の中で出血が起こった場合は、溜まった血を注射器で吸い出すか、もう一度傷を開けて排出します。
C) 傷口が開く
C-1トラブルの内容
稀に糸が外れたり、傷口の治りが悪く、傷口が開いてしまうことがあります。
C-2 対応
傷口が開いてしまった場合には、もう一度傷を縫い合わせる処置を致します。
D) 鼻が低く感じる
D-1トラブルの内容
わし鼻形成術は、鼻筋の高すぎて出っ張った部分を低くして、形を整える手術です。その為、術前に比べて鼻筋が低くなったと感じることがあります。
D-2 対応
低くなった鼻筋を高くしたいとご希望される場合、プロテーゼを用い隆鼻術(りゅうびじゅつ)やヒアルロン酸注入で、鼻筋全体を高くすることができます。希望によっては、再度わし鼻風に部分的に高くすることも可能です。
E) 左右差
E-1トラブルの内容
術後は、ギプスで固定して固めていますが、骨の位置を100%コントロールすることはできません。そのため左右の鼻の骨の位置がずれて、左右差が出る場合があります。
E-2 対応
明らかな左右差が出た場合、ふくらみが残っている側の鼻の骨を再度カットする、又は、凹んでいる側の鼻の骨の部分にプロテーゼや軟骨を移植し修正させて頂きます。
凹んでいる部分にヒアルロン酸を注入して修正をすることも可能です。ヒアルロン酸注入は調整がしやすく、ダウンタイムもほとんどない良い方法ですが、効果は永久的なものではありませんので、定期的に繰り返す必要があります。
F) 鼻閉感(鼻が通りにくい感じ)
F-1トラブルの内容
術後早期の段階では、鼻の中の粘膜が腫れるため、鼻の通りが悪く感じることがあります。術後3~6 ヶ月程で鼻の中の粘膜の腫れが引いてくると、通常、鼻の通りに問題は残りません。
わし鼻を削るのに併せて鼻骨骨切り幅寄せ術を行ったケースや、元々鼻の通りに問題があった方は、稀に、腫れが引いても鼻の通りが悪く感じられることがあります。
F-2 対応
狭くなった鼻の通りをよくする為には、鼻骨を再度骨切りして幅を広げ、広げた鼻の隙間に軟骨移植をする処置をすることで改善が期待出来ます。
※但し、鼻筋が太くなることをご了承下さい。
G) 骨切りした部分の段差
G-1トラブルの内容
手術後に鼻を触ると、骨切りした部分の段差が触れることがあります。
G-2 対応
触った時に気になる段差については、外見上問題がなければ修正はお勧めしません。外見上でわかる段差については段差を作っている鼻の骨の角を削る処置を行わせていただきます。
H) 鼻筋が太すぎると感じる
H-1トラブルの内容
術後は腫れやムクミのため鼻筋や鼻先が太く見えてしまいます。術後3~6ヶ月は経過をみて下さい。また鼻の骨を動かせる範囲には限界があるため、効果が物足りないと感じる場合があります。
H-2 対応
効果が物足りないと感じた場合は、再度鼻の骨を切り直す処置をさせて頂きます。また、プロテーゼを使った隆鼻を行うと、より鼻筋を細くシャープに見せる効果があります。
I) 鼻筋が細くなりすぎたと感じる
I-1トラブルの内容
鼻筋がどれくらいの細さになるか、正確にコントロールすることはできません。そのため、術後の鼻筋がご希望より細くなってしまうことがあります。
I-2 対応
鼻筋が細くなりすぎたと感じる場合、鼻骨をカットして広げることで、ある程度戻すことは可能です。また、細くなった鼻の骨の側面へのプロテーゼ挿入・軟骨移植・ヒアルロン酸注入にて、鼻筋を太くすることも可能です。
J) ハンプがまだ残っている
J-1トラブルの内容
骨や軟骨を削り取る量が足りないと、小さなハンプが残ることがあります。
また、骨や軟骨を真っ直ぐにしても、削った部分に瘢痕組織(はんこんそしき)が形成されて膨(ふく)らみを作ることがあります。
J-2 対応
取り残したハンプがある場合には、再度手術で骨と軟骨を切り取らせて頂きます。
※但し、追加して削ることによって凹みができることもあります。
瘢痕による膨らみに対しては、術後3 週間目以降から、ステロイド剤(ケナコルト)を注射することで、瘢痕組織を縮小させる効果が期待できます。効果がでるまで数回注射をくり返すこともあります。
※ ステロイドの副作用として、膨らみが凹みすぎることがあります。
また注射をくり返すことにより、皮膚に毛細血管が浮き出て赤アザのようになることがあります。
K) ハンプを削った部分が凹凸になる
K-1トラブルの内容
ハンプを削った部分の骨や軟骨の断面に小さな凹凸(おうとつ)が出来ることがあります。通常、凸凹は触った時に感じることがあっても、見た目でわかることはありません。
K-2 対応
見た目にわかるような凹凸(おうとつ)が出来た時には、再度削る処置をさせて頂きます。
※但し、再度削っても指で触れた時にわかる程度のわずかな凹凸が残ることがあることをご了承下さい。
L) 中縫いの糸が出てくる
L-1トラブルの内容
中縫いの糸(皮膚の下の組織を縫い合わせる糸)が露出することがあります。放置していると化膿する危険があります。
L-2 対応
中縫いの糸が露出した場合、放置していると化膿する危険がありますので早めにご来院下さい。糸を取り除く処置をさせて頂きます。